閉じた光



閉じた世界の中にいれば、思考停止を招く。
一生懸命ソトを見ていたつもりが、気づけば閉じた世界の中だけだった。
閉じた光はどこに向くのだろう。




今まで私が見てきたものは、ある狭い世界。
外の世界があるのは知っていても、
それは所詮フィクションであって、リアルではない。


それでも私は、遠くのソトを見ていたつもり。


遠くのソトがリアルだと信じたかった。




ある日突然の、侵入者の訪れ。
そいつ一人でいままでの世界の色が変わる。
今まで赤と信じてた色が、青という色だったということを認識する。
無意識的な常識の非常識に動揺する。




私はそんな違和に戸惑う。
自分はソトと繋がっていたと思っていたのに、
気づけば閉じた世界の住人。


それでも、


まだ私は、外の世界に行けるはず。
だって、ソトのリアルを欲しているから、
ソトのリアルを求めて行けるから。


閉じた光を開くことができるはず。
このまま光を弱めたくはないから、
強く輝く光にしたいから。